練習日記(2018/02/04)
こんにちは。
サーガラ団長です。
いよいよ2月になり、3月21日の演奏会へ向けた練習にも熱が入ってきました。
先週末はソナタ形式ならではの緊張感を作るために、特に展開部から再現部に向かう流れを整理しました。三作品の同じ箇所を続けて練習してみると、それぞれの作品の特徴や作曲家の個性をはっきりと感じ取ることができました。
魔笛はモーツァルトの最後の歌劇であり、彼の熟練した書法が際立っています。
品がありながらも自由に形式を扱っており、
繊細な起伏を細かく作り上げて自然に再現部に入って行きます。
個人的な考えではありますが、彼はソナタ形式に人間的なドラマを詰め込むことでロマン派の扉を開いたのでしょう。今回取り上げる18-4 は30歳を目前にした時期に書かれた作品で、後期に見られるような伸縮自在なソナタ形式に応用はなく形式的にはオーソドックスであるものの、主題の対比、展開部のあらすじ、特に再現部に至るエピソードの構築美と人間臭い展開はベートーヴェンらしさそのものであります。
そしてライヒャの91-5は田園風景を彷彿とさせる伸びやかな作風で、展開部も涼風のごとく爽やかに駆け抜けていきます。
しかしただ田園的であるだけでなく、随所に興味深い楽句が挿入されています。
とりわけ展開部後半にテープを切り貼りしたような(と言っても今の時代にそぐわないかもしれませんが、、、)箇所があり、演奏者としてはとても難しい一方で、斬新で興味深い部分でもあります。
改めて、このように似た時代、場所の三人の音楽を並べてみると、一層それぞれの個性に気付かされます。
定期演奏会では作曲家や作品のオリジナリティを皆様と分かち合えれば幸いです。
なお、当団定期演奏会は自由席・無料ですが、メールにてご予約を承っております。
ご予約の際は右記リンクよりお名前、ご予約席数、ご連絡先を書いたメールをお送りください。
サーガラ木管五重奏団第6回定期演奏会
2018年3月21日(水祝)
16時半開場 17時開演
代官山教会
ベートーヴェン/ 弦楽四重奏曲 ハ短調 op. 18-4
ライヒャ/ 木管五重奏曲 イ長調 op. 91-5
モーツァルト/ 歌劇『魔笛』K. 620 序曲
入場無料・全席自由