練習日記(2018/02/11)作り込みについて
代表のSです。
先日の練習ではベートーヴェンとライヒャの2、4楽章を中心に、細部の作り込みを確認しました。第2楽章は古典的な4楽章形式だと普通緩徐楽章になるのですが、今回取り上げるベートーヴェン op. 18-4 の第2楽章には Andante scherzoso quasi allegretto と記されています。確かに緩徐楽章の性格を帯びてはいるのですが、停滞してはスケルツォの性格が出ません。しかし急ぐとアンダンテではなくなってしまう、、、そして第2、3楽章が共に3拍子ですが、両者の拍感はを明確に描き分けなければなりません。更に中盤では緻密な対位法やロマンティックな転調が出現する、となかなか難しい楽章であります。今回の演奏会でこれらの諸要素を表現できるように細部の作り込みから構成のダイナミズムまで、工夫を凝らしています。
難しいついでに、ライヒャの4楽章もかなり気難しい曲であります。というのも、目立った変化なくソナタ形式を書ききってしまっているのです、しかも長い!その上楽譜の情報量がすくなく、楽譜通りに音を出しただけではとても冗長な音楽になってしまいます。そこで、構造を把握した上で、楽曲の輪郭が明確になるようにいくつかの「仕掛け」を作ることにしました。いわば、白黒の写真に彩色するような作業です。数カ所でこれを施してみると、これまで見えてこなかったライヒャの豊かな音楽性が顔を覗かせて来ました。よりよく音楽を理解し、より深いレヴェルでの解釈を進めて参りたいと思います。
演奏会は3月21日(水祝)の夕方から、代官山教会で行います。管弦楽曲や弦楽四重奏曲の木管五重奏版やライヒャのマイナーな曲と、珍しくも奥深いプログラムです。是非足をお運びいただければ幸いです。
予約は右記リンクからメールにて承っております。ご予約お待ちしております。
サーガラ木管五重奏団第6回定期演奏会
2018年3月21日(水祝)
16時半開場 17時開演
代官山教会
ベートーヴェン/ 弦楽四重奏曲 ハ短調 op. 18-4
ライヒャ/ 木管五重奏曲 イ長調 op. 91-5
モーツァルト/ 歌劇『魔笛』K. 620 序曲
入場無料・全席自由